こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
17の目標、今回は10回目、SDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」についてです。
「人や国の不平等をなくそう」の目標は私たちにとても深い関わりのある目標です。
さまざまな差別や不平等はなぜ起きるのでしょう?
同じ国や地域の中でも不平等が起きるのはなぜでしょうか?
たとえ、自分自身が差別を受けていないと思っていても、それでも不平等について関心を持つ必要があると私ことりは考えます。
今回は目標10「人や国の不平等をなくそう」について
①SDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」に関しての現状
②建設業として取り組めること
③モリエコが取り組んでいること、取り組めること
の3点について書いていきたいと思います。
※この記事はプロモーションを含みます。
SDGsの掲げる「持続可能な開発目標」達成のためには、スローガンである「誰一人取り残さない」世界を実現することが必要不可欠だからです。
世界には、さまざまな不平等があります。
先進国と途上国
開発途上国と後発開発途上国(途上国の中でも特に開発が遅れた国)
同じ国や地域の中でも豊かな人と貧しい人
男性と女性
障がいがある人とない人
人種、民族、宗教......。
これらの違いよって生まれる不平等を減らすことは、世界の幸せのためにとても大切です。
それが貧困や飢え、争いごとをなくすことにも繋がるのではないでしょうか。
2017年1月「99%のための経済(An Economy for the 99%)」というタイトルの報告書が貧困支援活動をしている国際協力団体オックスファムより発表されました。
内容は「世界の富はほんの一部の富裕層に集中している」というものでした。
世界の人口は約72億人(報告書の発表された2017年)。
そのうち世界で一番資産を持っている上位8人(全員男性)。
その8人の資産は世界で一番貧しい下位36億人の資産と同じ所有量だということがわかりました。
たった8人の億万長者が世界の人口の半分の富を持っているということです。
世界では10人に1人が1日約2ドル以下で生活をすることを余儀なくされている中、ごく一部の人たちが莫大な富を所有しています。
ほんの一握りのお金持ちに富が集中することで、お金持ちはよりお金持ちに、貧しい人はより貧しくなる。
ますます貧富の格差が広がっているのが現状です。
この極端な貧富の格差を減らして、不当な賃金による雇用をなくしたり、株主利益を追求し続ける仕組みから、従業員や社会へ再分配する仕組みをつくること。
そして1%の富裕層だけではなく、世界中の企業が得る富を社会貢献に活かしていく仕組みをつくり、貧しい人たちが収入を増やしていける支援が必要なのではないでしょうか?
そしてこの問題はSDGs目標1「貧困をなくそう」にも繋がる目標です。
SDGs目標1「貧困をなくそう」についてはこちらの記事でもご紹介しています。
富裕層と貧困層の格差は命の格差にも繋がっています。
[5歳未満で亡くなる子どもの人数]
最貧困層の20%の子どもたちは富裕層の20%の子どもたちの3倍といわれています。
[予防可能な原因で亡くなる5歳未満の子どもの人数]
年間6,900万人
[妊産婦の亡くなる率]
開発途上国の多くが、妊産婦の死亡率は低下しています。
しかし、農村部の女性は都市部の女性に比べて、出産中に死亡する確率が3倍も高くなっています。
人種差別は、白人による黒人の人種隔離政策や、ユダヤ人の迫害など、長い歴史の中で古くから数多く存在してきました。
現在でもそのような人種差別は続いており、世界では人種差別に関しての条約などを定め、各国で取り組みが行われています。日本でも各種啓発・広報活動などによる人種差別撤廃に向けた施策が講じられています。
人種差別は性別や年齢に関わらず起こる問題です。
それは国や人々の間で起こる不平等ですが、特に分別がつかない子どもの間で起こりやすい問題でもあります。
差別や偏見は世界の何百万人もの子どもたちにとって日常的に直面する問題です。
例えば民族と種族による差別については、1997年にブルガリアにおいて、基礎教育を修了していない割合が総人口の3%でした。
これに対して少数民族のロマ民族は16%を占めていました。
一方でルーマニアでの基礎教育未修了者は総人口の12%で、少数民族は42%にものぼりました。
この割合からも分かる通り、少数民族であることにより本来得られる教育を受ける権利を受けることができない子どもたちがいます。
子どもは自分とは違うものに対して偏見を持ち、差別やいじめに発展することがあります。
差別は人と人の間で行われることが多いですが、国ぐるみで国内の差別が行われたことがあります。
それは南アフリカの白人政府によって確立された「アパルトヘイト政策」です。
このアパルトヘイトとは現地の言葉で「分離・隔離」を意味する言葉です。
1911年に南アフリカで制定された「鉱山・労働法」は、金やダイヤなどの鉱山で働く白人と黒人の職種区分と人数比を全国で統一する法律であり、白人政府が白人労働者の暮らしを保護するために思考した、最初の人種差別法でした。
第一次世界大戦後の不況から白人の貧困層を救済することが目的であり、1949年には白人農民や都市貧困層を支持基盤とする国民党が政権を獲得したことで、より強力なアパルトヘイトが推進されました。
白人専用とそうでない場所が区別され、黒人が白人専用の場所に立ち入れば、容赦なく逮捕されました。
また異人種間での恋愛や結婚も禁止され、政策が徐々にエスカレートしたことから国際社会からは「人類の人類に対する犯罪」と厳しい非難を受けましたが、南アフリカ政府は人種ごとの分離発展のためであることを理由に改善しませんでした。
教育において、あるいは家庭で自分と他人との差を認め、受け入ることを教えられなければ、子どもたちは偏見を持ったまま大人になってしまいます。
子どものときに構築された価値観は大人になっても変わらないことがあり、それが国内の、または国家間の差別にもつながります。
差別や偏見の考え方は親から子へ、次の世代へと受け継がれてしまうこともあり、各国で見られます。
アメリカやヨーロッパなどの先進国でも、長い歴史の中で多くの差別が問題となっています。
ファストファッションの流行の陰で問題になっていることもあります。
私たちが低価格で買うことができる大量生産されている服。
安く買えること自体はいいことですが、そんなに低価格にできる理由を疑問に思ったことはありませんか?
「大量に作っているから安い」というわけだけではありません。
開発途上国では、企業が大量に服を作って低価格で売る為に、不平等な労働をさせている人たちがいます。
2013年4月24日にバングラッシュで起こったラナ・プラザという縫製工場の崩落事故で一気に世界中のニュースで配信されて世界の問題になりました。
特に問題になったのは雇用内容があまりにも不当だったからです。
過剰な超過勤務をさせられた上に時給10円で働かされている人たちもいたとニュースになりました。
参考:ダッカ近郊ビル崩落事故
企業と労働者の不平等な問題を解決しているのがフェアトレードと呼ばれる、適正な価格で取引されるように生産者と消費者を繋げる仕組みです。
開発途上国の立場の弱い人々の自立と生活環境の改善を目指す世界中のフェアトレード組織が1989年に結成した国際的なネットワークです。
欧米や日本の輸入団体と、アジア、アフリカ、中南米の生産者団体が加盟し、情報を共有しながら公正な貿易の普及を目指しています。
フェアトレードの取り組みによって得たお金で、現地では子どもたちの為に学校を立てることもできるようになっています。
その結果、教育を受けられた子どもたちは、賃金のより高い仕事にもつけるようになり「貧困」した生活の解決にも繋がっているなど、労働と収入の問題だけでなく、「教育」の問題解決にも繋がっています。
人々が生活する建物を守る建設業の「差別」や「不平等」を減らすことは国の発展に繋がると思います。
そこで私が考えた「建設業として取り組めること」は以下です。
・賃金格差の解消
全ての従業員に対して、年齢や性別などの属人的な区別ではなく、担う責任や働き方に応じて、仕事の成果に報いる報酬制度の導入
性別に関わらない公平な賃金の支払い、性別による賃金格差の解消
・スキルアップに繋がる働きやすい環境
新入社員研修から施工方法別研修など幅広い研修の実施
施工方法にあった資格取得の推進
・工事材料の適切な金額・場所からの購入
児童労働や安い賃金で働かせている会社からの材料購入ではなくフェアトレード商品を購入する
「人や国の不平等をなくそう」の目標は、モリエコでは社内の働き方にあたると考えています。
まだまだ年功序列、男性が優勢の人事評価の多い建築業界。
ですがモリエコでは年齢や性別など属人的な要素ではなく、従業員個人の担う仕事内容や働き方に応じて、仕事の成果に報いる評価を行っています。
「建設業=3K」や「建設業=男性」といったイメージを払拭し、誰もが生き生きと働ける会社を目指しています。
ほかにも有給消化の推進や性別に関わらず、産休・育休の取得推進・時短勤務制度の充実などワークバランスの向上をはかっています。
近年(2020年~)では、産休を1名、育休を3名、時短勤務を1名が制度を利用しています。
「いい質の工事を行う」
そのためには働く環境を整えることが第一だと考えています。
給与水準の高さやスキルアップにあわせた昇級、充実した福利厚生のほか年に1度実施する社員旅行など、従業員同士の信頼関係や風通しの良さを大切に、働くみんなが安心して働ける職場を目指しています。
SDGs 目標10「人や国の不平等をなくそう」は私たちが自分自身のこととして考えるべきことは多いのではないでしょうか?
さまざまな不平等や差別はどうして起きるのでしょうか?
肌や髪の色などの見た目、言葉、慣習、宗教、人種、生活習慣の違いはたくさんあります。
違いは国と国、人種や言葉、文化だけではありません。
性別、健康な人と病気や障がいがある人、好きなことや得意なことなど、お互いが違うことはたくさんあります。
どちらかが優れているわけではなく、違いがあるからこそ学び合い、発見することができると思います。
不平等を減らすには、みんなが違っていることを知り、違いがあるのが当然だと理解すること。
お互いの違いを認め、相手を大事にする気持ちが、何よりも大切になってきます。
たとえ、自分自身が差別を受けていないと思っていても、それでも不平等について関心を持つ必要があるのでは……とモリエコでも話す場を設けたいと思います。
「違い」を認め合い「働きやすい環境」で社員が働けるようにするためにも現状の問題を知り、できることから始めていきたいと思います。