こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
トルコ・シリアを襲った大地震のニュースをみなさんご存じだと思います。
多くの建物が地震により倒壊し多くの人が被害にあわれています。
しかし、「どうして真下に崩れ落ちる建物が何棟もあったのだろう?」と思いませんでしたか?
この真下に崩れ落ちるような倒壊がなければもう少し被害を抑えることができたのではないでしょうか?
今回はトルコ・シリアを襲った大地震の建物の倒壊についての記事です。
発生場所:トルコ・シリア
発生日時:6日午前4時17分(日本時間6日午前10時17分)1回目
6日午後1時24分(日本時間6日午後7時24分)2回目
地震の規模:マグニチュード7.8、深さ17.9km
死者:トルコ1万7406人、シリア3300人超(9日現在)
1999年に1万7000人超が死亡したイズミット地震以来、最多の被害者数
今回の地震では多層建物(4階建てなど階層の重なっている建物のこと)の上の階の床が下の階にそのまま重なるように落ちる「パンケーキクラッシュ(層崩壊)」がたくさん起きてしまいました。
「パンケーキクラッシュ」のような崩壊は
①耐震設計条件を十分に満たしていない状態
②耐震性の弱い材料で建築された
③非常に古い建物
が理由になることが多いです。
多くの多層建物の床がまるごと落下して下の階を押しつぶすように崩れてしまっている様子をみると、多くの建物が耐震設計が機能しておらず、コンクリートを支える鉄筋の強度も不十分だったと考えられます。
トルコは1999年に1万7000人以上の死者が出たイズミット地震以降、2007年耐震設計の義務化など建物安全措置を強化する内容を盛り込んで建築法を改正してきました。
しかし、一部では建築法改正以降も政府の黙認の下、基準を満たしていない施工や資材使用などの不良建築慣行が続いていたといわれています。
実際にトルコ東部のマラティヤなどでは最近建てられて耐震設計が適用されたと言われていた多層建物も地震で一気に倒壊した報告があがっています。
建築法改正前に建てられて耐震設計条件を満たしていない建築物も一定の手数料を出すと過去にさかのぼって使用を許可する法案が2018年から施行されています。
この法によりトルコ全域の不法建築物1300万棟が合法化されたとされています。
今回の地震の倒壊による死傷者は自然災害の影響だけとはいえないのではないでしょうか?
日本は度重なる大規模な震災からの教訓をえて耐震耐震基準は何度も改正を重ねてきました。
1981年6月から施行された新耐震基準は「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れる」という2020年の現在でも基準とされている耐震基準を義務付ける改正が行われました。
理由としては1978年に発生した宮城県沖地震の家屋倒壊の被害が甚大だったことがあげられます。
マグニチュード7.4、最大深度を観測した仙台市では震度5の地震が発生しました。
被害は死者が28名、建物の全半壊は7,400戸にものぼりました。
この地震から教訓を得て、より厳しい耐震基準に引き上げが行われました。
新耐震基準に改正後、2000年にさらに厳しい耐震基準へと改正が行われました。
「2000年基準」とも呼ばれ、1995年に発生した阪神淡路大震災の被害をもとに行われました。
改正内容として、
①地盤が重さを支える力に応じて基礎を設計する
②柱の引き抜けに対応するため基礎と柱の接合部への金具の取り付け
③耐力壁をバランスよく配置することでより頑丈な家にすること
上記のような内容を義務付けました。
阪神淡路大震災後に行われた国土交通省の研究機関などの調査によると、倒壊した住宅の大半がシロアリ被害や木腐朽被害などで強度が低下していたことが指摘されています。
シロアリは1階の柱と土台の継ぎ目を集中的に食べるため、本来の耐震性を発揮する土台が崩れてしまい、住宅の耐震性が極端に低下していました。
具体的には「シロアリ被害・腐朽あり」とされた家屋の9割が全壊しているのに対し、「シロアリ被害・腐朽なし」の家屋は2割程度、さらに5割以上の住宅が軽微な被害で済んでいるという衝撃的な事実がわかりました。
詳しくは下記画像リンク先でもご紹介しています!
ぜひご覧ください。
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