- サステナビリティ
こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
みなさん、世界中の浜辺で最もよく見られる海洋ごみは何かご存じですか?
実は、たばこが1番多いんです。
2009年に世界108ヵ国・地域で行われた国際沿岸クリーンアップという国際的な海洋環境保護活動では、世界中の浜辺から約220万本のたばこの吸い殻が回収されました。
そんなたばこの吸い殻の海洋ごみが環境にどのように影響するのか調べてみました。
2002年の時点で、約5兆6000億本のたばこが世界中で消費されています。
この数は2025年には9兆本になると推定されています。
そして毎年70万トン以上のたばこの吸い殻が世界中で捨てられています。
あまりの数になかなか想像がつきにくいですね。
たばこが健康に良くないことはみなさんご存知だと思いますが、実はたばこが海の健康も害していることはご存知の方は少ないと思います。
たばこには栽培から製造の過程で非常にたくさんの化学物質が使われており、製品の中に残存して紛れ込んでしまっています。
化学物質の例としては製造過程で使用される殺虫剤や除草剤、防カビ剤、殺鼠剤などです。
そして4000種類以上の化学物質がたばこの灰や煙からでてきますが、そのうち50種類以上は発がん性があるといわれています。
発がん性物質の例としてはヒ素やニコチン、多環式芳香族炭化水素、重金属などです。
ポイ捨てされたたばこが水の中に入れば、淡水または海水中に様々な有害物質が流れ出てしまいます。
ある実験では海水魚(トウゴロイワシ目)と淡水魚(コイ目)の入っている水槽に水1リットルあたり、たばこの吸い殻1本で半数致死濃度になることが報告されています。
しかし実際はたばこが海に入っても大量の水ですぐに希釈されてしまうため、どの程度の影響があるかはよくわかっていません。
たばこの有害物質による実験の論文 ← 日本語に変更して読むことができました。
たばこのフィルターはセルロースアセテートという半合成ポリマーでできています。
セルロースアセテートは眼鏡やサングラスのふちの材料としてもよく使われているプラスチックの1種です。
原料のセルロースそのものは簡単に自然分解されますが、セルロースアセテートは長期間分解されません。
生物に分解してもらおうとしても必要な酵素などがないため自然界で分解されることはほとんどありません。
ポイ捨てされて海に入り込んだたばこのフィルターは長い年月分解されることなく、環境中に残り続けます。
有害物質を含むフィルターがマイクロプラスチックとなって、海の生物たちが誤って食べてしまい、それを人が食べてしまうという食物網に取り込まれる可能性もあります。
様々な種類の海洋ごみがある中で、今回は1番多いたばこの吸い殻について掘り下げてみました。
人間の使ったもの、しかも有害物質のあるものが海に流れ出てしまうと取り戻すことはできません。
ポイ捨てをやめることはもちろんですが、身近なごみを拾ったり、減らしていく取り組みが大事だと思いました。
クリーンアップキャンペーン ← ぜひ一度覗いてみてください!