- コラム
こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
みなさん「折板屋根(せっぱんやね)」ってご存知ですか?
工場や倉庫など大きな建物の屋根によく使われていて、金属性の材料を折り曲げて波型に加工した屋根のことなんです。
私も見たことはもちろんあるのですが、詳しく知らない……。
ということで、今回はそんな「折板屋根」についてのお話です。
※この記事はプロモーションを含みます。
Contents
「折板屋根」とは、金属の板を特有の形状(波型)に折り曲げた屋根材のことです。
金属板を折り曲げることで素材の剛性を高めているため、高い耐久性と防水性を持っています。
さらに金属製のため耐火性にも優れていて、火災のリスクが高い場所の使用にも適しています。
また金属材料を使っているため、屋根が軽量化され、建物への負荷を軽減する効果があります。
地震の多い日本では重要な特性のひとつです。
そのため面積の広い商業施設や倉庫・工場などで広く使用されています。
その歴史は長く、特に日本では伝統的な建築様式としても親しまれてきました。
「折板屋根」には亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム鋼板、ステンレス鋼板など、さまざまな材質があります。
これらの材質は、それぞれ違った特徴を持っているため、用途や予算に応じて選ぶことができます。
「亜鉛メッキ鋼板」は、亜鉛でメッキ仕上げした鋼板のことを言います。
鋼板は金属のため、そのまま使用すると風雨によってすぐに錆てしまうため、防錆処理を行わなければなりません。
そこで鋼板に亜鉛メッキ処理をすることで、長期間、錆と腐食を防ぐことができます。
なぜ亜鉛でメッキ仕上げを行うかというと、亜鉛は鉄より錆やすい性質があります。
この性質を利用することで、亜鉛が全て錆て腐食するまで鉄は錆びません。
これを犠牲防食と言います。(鉄の代わりに犠牲になって錆びてくれるから)
ですが大体が10年ほどで犠牲防食の効果が無くなるため下地の鉄板が錆び始めてしまいます。
また亜鉛メッキ鋼板は腐食と錆から守るだけではなく、外観がよくなる効果も期待できます。
「アルミニウムメッキ鋼板」は、アルミニウムとシリコンの合金でメッキ仕上げした鋼板のことを言います。
鋼板が元々持っている強度やコストパフォーマンス性を活かしながら、アルミメッキによって、耐食性(腐食)や耐熱性、熱反射性などが向上されます。
またアルミニウムと亜鉛による合金で作られる鋼板のことを「ガルバリウム鋼板」と言います。
建物の屋根や外壁材としても多く使われている鋼板の種類です。
「ステンレス鋼板」は、鉄とクロム(元素番号24の遷移金属元素、元素記号はCr)の合金で作られる鋼板のことを言います。
表面に「不動態皮膜」という、とても薄い保護皮膜をつくる働きを持っています。
その皮膜が金属を錆びから守る働きをするため、錆びづらく長く美しい状態を保ちます。
そのため「ステンレス鋼板」は屋根などの建築材料だけでなく、機械構造部品や航空機部品、化学工業設備部品などさまざまな分野の製品の材料をして使用されています。
またステンレス鋼板には200以上の種類があり、その種類を区別するために材料記号として「SUS」を使っています。
SUSとはStainless Used Steelの略称で「サス」と読みます。
「折板屋根」の固定方法はおもに「重ねタイプ」・「ハゼ締めタイプ」・「嵌合(かんごう)タイプ」の3種類があります。
どの固定方法にも「緊定ボルト」と呼ばれる折板屋根を抑えるための金具と、折板屋根を固定する台座の「タイトフレーム」を使用しています。
「タイトフレーム」は折板屋根の折り曲げる角度と同じ角度で波型になっています。
「タイトフレーム」を屋根の柱に取り付け、その上に折板屋根を設置し固定していきます。
「重ねタイプ」は屋根材を重ねて設置し専用の金具(緊定ボルト)で固定する方法です。
ボルトで固定するため、強風に強い設置が可能です。
「ハゼ締めタイプ」は屋根材同士を折り曲げて接合する方法です。
ボルトのための穴やナットなどを使用しないため、比較的費用がかかりにくく、防水性も高い方法です。
「嵌合(かんごう)タイプ」は専用の金具(緊定ボルト)で屋根材を固定し、緊定ボルトをキャップでカバーする方法です。
「重ねタイプ」と同じように緊定ボルトで固定するため強風に強く、また緊定ボルトをキャップで覆っているため雨水が入り込む可能性も低くなります。
「折板屋根」は、金属屋根を波型に加工しているのが特徴ですが、その構造から多くのメリットがあります。
「折板屋根」の耐久性は非常に高く、長期間、屋根の機能を維持しています。
また材料が軽量なため、地震が起こった際も建物への負担が少なく、安全性を高める効果が期待できます。
金属材料を使っているため、断熱性や遮音性が比較的低いところがデメリットです。
特に雨音が響きやすかったり、金属の性質上、夏場は熱を吸収しやすく室内温度が上昇しやすいです。
また金属の特性上、どうしても長期間使用することで錆びが発生する可能性が高く、適切なメンテナンスが必要です。
「折板屋根」は、耐久性も高く、高い防水性も特徴の一つですが、その力を発揮するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
「折板屋根」は一般的に20~30年の耐用年数があると言われていますが、これは適切なメンテナンスを前提としています。
実際は屋根の状態や使用環境によってさまざまな問題が発生する可能性があります。
おもに塗膜の劣化やボルトの錆びなどはよく見られる劣化症状です。
これらの劣化症状を放置すると屋根の機能が低下し、最悪の場合、雨漏りや屋根の破損に繋がる可能性が高くなります。
特に「折板屋根」は金属製のため錆びやすく、一度錆びてしまうとその進行は早まります。
そのため、定期的なメンテナンスによって「折板屋根」の寿命を延ばすことで、最終的なメンテナンスコストを抑えることができます。
「折板屋根」のメンテナンスにはいくつか方法があります。
建物で最も過酷な環境下にある「屋根」は守る最も大切なのは「雨から守る」ことです。
防水は「折板屋根」の表面を保護し、雨水や紫外線、錆びによる劣化を防ぎます。
平均的には10~15年ごとの防水改修工事が推奨されています。
金属製である「折板屋根」は時間とともに錆びが発生してしまうため、定期的な防水が必要です。
防水改修工事をする際にはボルトやナットの錆びや汚れを取り除く、ケレン清掃作業も大切です。
この作業により錆びによる損傷を未然に防ぎ、塗膜の密着性を高めます。
また塗装工事もオススメです。
屋根を塗り替えることで、屋根の保護と美観の向上につながります。
使用する塗料は屋根の状態や環境にあわせて選ぶことが大切です。
遮熱塗料や断熱塗料を使用することで、熱を吸収しやすい「折板屋根」の室内温度の上昇を防ぐ効果も期待できます。
すでに広範囲で雨漏りしてしまっていたり、穴があいてしまっている場合など、劣化が大きく進んでいる場合に「カバー工法」という方法で工事をすることもあります。
カバー工法とは既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねる方法です。
この工法は屋根が2重になるため、断熱性や防水性などの耐久性が高まると言われています。
しかし屋根が2重になることで重量も大きくなるため、建物によっては工事ができない可能性もあります。
最も大規模なメンテナンス方法は「葺き替え」です。
葺き替えは屋根の劣化状態が深刻な状態で、カバー工法では対応できない場合などに採用されています。
既存の屋根を撤去した後、新しく屋根を設置する方法です。
新品の屋根を設置するため、耐用年数はもちろん最初から……になりますが、既存の屋根の撤去費用+新しい屋根の設置費用がかかるため、高額になります。
実際にモリエコが施工させていただいた「折板屋根」の防水改修工事を基に、防水工事の工程についてご紹介したいと思います。
2階建て工場の折板屋根234.0㎡
現場調査の結果、防水層が劣化し、色褪せや錆、汚れが目立っていました。
また下の階にボルト部分から雨水が侵入してしまい雨漏りしていました。
そこで今回は金属素材との相性が非常に良いウレタン防水(ウレタンゴム系塗膜防水)の「MYルーファー」を使用しました。
最初に屋根表面の汚れや劣化によって浮いてしまった塗膜を除去し、下地(折板屋根)を整えます。
また錆びてしまっている箇所(特にボルト周り)は注意が必要です。
この工程は塗膜防水の密着を高めるために、とても大切な工程です。
(メイクする際、最初に洗顔するのと同じです。)
ボルトキャップの中にシーリング材を充填させてから、ボルトキャップをボルトに取付ます。
シーリング材を充填させたボルトキャップを被せることで、雨水の侵入とボルトの酸化を抑えることができます。
下地(折板屋根)と塗膜防水のくっつきをよくする(接着)ためにプライマーを塗ります。
また今回使用したウレタン防水(ウレタンゴム系塗膜防水)の「MYルーファー」という製品の赤錆を黒錆に転換し、錆の進行を抑制することのできる「防錆プライマー」というプライマーを使用しています。
折板屋根が重なった部分にBBテープ(防水テープ)を貼ります。
折板屋根が重なりあっている部分にできた隙間から雨水が侵入してしまうと、雨漏りやカビ、腐食などの原因になってしまいます。
そのため重なりあったジョイント部分の隙間を埋めるようにBBテープ(防水テープ)を貼っていきます。
今回使用したウレタン防水(ウレタンゴム系塗膜防水)の「MYルーファー」は材料がエコマークを取得している環境対応型です。
水系のため人体に対し無害無臭で作業員や周辺環境へも安全です。
また防水材自体が難燃性(難燃2級)を持っています。
1度塗ってからまた上から2回目の材料を塗ることで、防水の塗膜が層になり、より防水力を保つことができます。
仕上げにトップコートを塗ります。
トップコートは防水層を保護する役目はもちろん、今回使用した「MYルーファー」のトップコートは遮熱性のあるものを使用しました。
遮熱性が高いと夏のエアコンの稼働率も下げることができ、折板屋根はもちろん、工場内で過ごす方にも環境にも優しい仕上がりになりました。
「折板屋根」を長く丈夫に使うためにはメンテナンスが大切なことはわかったけど、実際に何をしたらいいかわからないですよね。
メンテナンスの時期てよくわからない……
小さなひび割れや剝がれだけだから大丈夫だと思う……
雨漏りの被害にあわれた多くのお客さまがそう言われます。
✅築10年以上経っている
✅建物の点検をしたことがない
✅どこに建物のことを相談したらいいかわからない
1つでも当てはまれば
【住まいの検康診断】をおすすめします。
雨漏り被害が出る前に、「住まいの検康診断」を受けませんか?
建物の健康は【防水のプロ】モリエコにお任せください。
もっと詳しく検査したい方にオススメ!
便利なオプション検査もご用意しております。
オプション検査で+αの安心をお届けします。
詳しくはこちら:住まいの検康診断 モリエコケア⁺
モリエコにご連絡がある時は、どうしても雨漏りが発生してから、大雨後に水浸しになってしまってから……と手遅れのケースばかり。
そうなると修理費用もかさみ、修理期間も長く、予期せぬ出費に家族の負担もストレスも大きくなってしまいます。
雨漏りが発生してからの工事とメンテナンス工事では平均費用が約2.5~3倍に膨れ上がってしまうケースが多くあります。
風雨や日光による経年劣化は止めることはできません。
放っておくと、雨漏りなど大きな被害に繋がってしまう可能性が高くなってしまいます。
雨漏りしてからだと工事費用が平均して2.5~3倍になってしまうことも……
しかし防水工事を行うことで、防水層を新しくし、建物を雨水から守ることはできます。
住宅の健康とそこに住む人の健康を守るために、モリエコは防水工事をはじめ、外壁塗装や屋上清掃、内装工事など建物のメンテナンスや点検を行っています。
公式LINEにて現場調査・お見積り依頼も無料で行っています。
どんなお困りごともお気軽にご相談ください。