- コラム
こんにちは!
モリエコ事務スタッフのことりです。
みなさん11/15が何の日がご存じですか?
実は『生コンクリート記念日』なんです。
「生コンクリート」ってなに?
建物を建てるのにコンクリートが必要なのはわかるけど……
という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は建築材料として大活躍の『生コンクリート』についてのお話です。
『生コンクリート』とは、工場でつくられた固める前のコンクリートのことです。
英語では「レディーミクストコンクリート」といいます。
コンクリートは練り混ぜが終わるとすぐに固まり始めてしまいます。
しかし、『生コンクリート』はまだ固まっていない状態ですぐに工事現場へ配達することができます。
『生コンクリート』がまだなかった時代は、工事現場で材料を配合してなり合わせてコンクリートを作っていました。(現場練り)
そのため、品質もバラバラで手間もかかり大変でした。
しかし『生コンクリート』は工場で作られるので材料を正確に練り混ぜることができ、品質をすべて一定にたもつことができます。
さらに現場で練り合わせることもないので、工事がスムーズに進むうえ、費用も安く済むようになりました。
『生コンクリート』が誕生したのは、ドイツで1903年(明治36年)です。
日本で初めての『生コンクリート』はそれよりもずっと遅い1949年(昭和24年)でした。
1949年の11月15日、東京都墨田区の東京コンクリート工業・「業平橋工場」が操業を開始し、この工場から日本初の『生コンクリート』が出荷されました。
この日を記念して毎年11月15日は『生コンクリート記念日』とされています。
※写真は当時の「業平橋工場」です。
コンクリートはセメントと骨材と呼ばれる砂や砂利に水を加えて、練り合わせ固めたものです。
人の手で作られた岩とも言えます。
また、コンクリートの品質を高めたり、特殊な性能をもたせたりするために、混和剤というものを加えることもあります。
コンクリートには使うセメントや骨材(砂や砂利)の種類、水の量など配合の割合、工事の方法などにより、たくさんの種類があります。
それぞれの使い道に合わせて、強度や柔らかさの違う様々なコンクリートが使い分けられています。
現在の一般的な工事では、製造工場で作った『生コンクリート』が多く使用されています。
その『生コンクリート』を生コンクリート車(ミキサー車)で運び、ポンプで流して打ち込み、振動機で固めています。
こうした『生コンクリート』を使ったコンクリート工事は1960年代から急速に普及しました。
そのきっかけとなったのが1951年(昭和26年)の地下鉄丸ノ内線の工事です。
大量の『生コンクリート』が使われたことで、社会的にも大きな信用を獲得しました。
その後、高層ビルやダム、橋、高速道路など、様々な建物に『生コンクリート』が使われるようになりました。
鉄筋コンクリートをいう名前をご存じの方も多いと思います。
鉄筋コンクリートは圧縮には強いが引っ張りには弱いコンクリートと引っ張りに強い性質をもつ鉄筋を組み合わせることで、弱点をカバーし、より強度を高めた製品です。
木やレンガ造りの建物と比べて地震に強い建物を作ることが可能なため、日本のような地震の多い国にとってはなくてはならないコンクリートです。
鉄筋コンクリートのようなコンクリートの進化はいまも様々な分野で進んでいます。
特に、地球環境に優しいコンクリートに関しての研究は盛んで、廃棄物を利用した「エコセメント」や、解体したコンクリートを再利用する「再生コンクリート」など、様々な成果をあげています。
『生コンクリート』での工事が急速に普及した1960年代頃は鉄筋コンクリート造の建物は防水しなくても良いといわれていました。
大きな理由として
①工場で作られた高品質の『生コンクリート』を使用するから
②気密性が高いから
のふたつがありました。
どれだけ品質の安定した材料を使っても、施工するのは人の手です。
工事の際、「ジャンカ」と呼ばれる隙間(気泡)ができてしまいます。
(プリンや茶碗蒸しの「す」を想像していただくとわかりやすいと思います)
その隙間(ジャンカ)から水が侵入してしまい、雨漏れや建物の崩落に繋がってしまうことも……
鉄筋コンクリート造の建て方は、『生コンクリート』を流し込む型(箱)を作ってそこに『生コンクリート』を流し込んで固めて作っていきます。
しかし全部まとめて『生コンクリート』を入れて作るわけではありません。
場所や階層にわけて流し込む型(箱)を作って流し込んで固めて形を作っていきます。
鉄筋コンクリート造の防水する際に意外と盲点だったのが、「打ち継ぎ目地」(コーキング)です。
『生コンクリート』を使って、この階層ごとに作っていく過程では、1F〜2Fの間は繋がっていないため、隙間(打ち継ぎ部)が生まれてしまいます。
(積み木を重ねた時の積み木と積み木の間のイメージです)
その隙間(打ち継ぎ部)から水が侵入してしまい、中の骨組みである鉄部に触れてしまうと鉄分は約1.25倍に膨れてしまいます。
すると、膨張してしまい、外側のコンクリートも膨れてしまう・割れる・最悪の場合、崩落に繋がってしまう可能性があります。
もちろん、侵入した水によって雨漏りや、鉄筋の錆に繋がってしまいます。
鉄筋コンクリート造にも防水は必要です。
特に「打ち継ぎ部」の「目地」をしっかりとコーキングして水が侵入しないように防水することが大切です。
また定期的に打ち替えることで防水力が継続されるので目立つ場所だけではなく、「打ち継ぎ部」の「目地」のメンテナンスも重要です。
コンクリートの風合いの良さを残した外壁防水の方法もあります。
「浸透性防水剤」(クリア剤)と呼ばれるもので、コンクリートに塗ると浸透していき、コンクリートの中で防水層を形成する防水材です。
この防水材を使えば、コンクリートの風合いを残したまま、建物を守る防水を行うことができます。
コンクリート造の建物の屋上などは、塩ビ防水かAS(保護モルタルも打つ)が多いです。
モリエコでは特に塩ビ防水の機械固定工法を薦めることが多いです。
大きな理由として
①ガッチリした作りのコンクリート造にガッチリと固定してくっつけることのできる防水方法だから
②屋上などはメンテナンスほぼなく、雨晒しになってることの多い場所だから
のふたつです。
屋上や陸屋根などは特に既存の防水層がボロボロになってしまっている可能性の高いところ。
既存の防水層を撤去しようとすると、その分、費用が重なってしまいます。
しかし、塩ビ防水の機械固定工法は既存の防水層の状態や種類に関わらず、撤去せずに上から重ねて防水することができるます。
屋上といっても歩行することの多い場所だとシート防水はあまり向いていません。
歩いた衝撃などで破れてしまう可能性が高いからです。
そのためアスファルト防水(保護モルタルも打つ)での施工をすることもあります。
『生コンクリート』が普及したからこそ、いま私たちの暮らしがあります。
その『生コンクリート』で作られた建物を維持していくためにも、一度建物の防水を見直してみませんか?
モリエコではバルコニーや屋上の防水工事はもちろん、外壁塗装や、屋上清掃なども承っております。
大切な建物を守るために、点検もかねて、ぜひご相談ください。