- コラム
こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
みなさん「アスファルト防水」ってご存じですか?
防水工事の施工方法のひとつなんですが、いざ「アスファルト防水」で施工します!
と防水会社の人に言われてもピンとこないのではないでしょうか?
それもそのはずです。
多くの防水施工の種類があり、その中でどれがいいのかなんて専門で勉強されたり、実際にたくさんの施工事例を見てきていないとわかりません。
「どんな施工方法なんだろう?」
「うちの建物にあっているのかな?」
「防水はどのくらい持つのかな?」
「費用面は他と比べてどうなんだろう?」
といった様々な疑問が出てくると思います。
そこで今回は、よくわからない防水施工方法の「アスファルト防水」について掘り下げたいと思います。
アスファルト防水は、従来から広く使われている防水工事の工法の1つです。
合成繊維不織布のシートに、液状に溶かしたアスファルトを染み込ませコーティングした、ルーフィングシート(建物内に水滴を入れないシート)を作ります。
このシートを2層以上、重ねて仕上げることで、防水機能をより強固にする積層工法です。
アスファルト防水は、広い場所への施工が適しているため、学校やマンション・共同住宅などの屋上や屋根で採用されることが多いです。
工法によっては、防水層の上を緑化させることも可能です。
また防水性能(水密性)が高く、施工時の不具合も少ないですが熟練の職人さんでないと施工がとても難しいです。
近年、建物は軽量化していく傾向が強く、一般木造住宅では使われることが少なくなってきています。
アスファルト防水は、主に次の3種類に分類されます。
①熱工法
②トーチ工法
③常温粘着工法
では詳しくこの3つの工法についてお話ししたいと思います。
【特徴】
専用の溶解釜で溶かしたアスファルトと、ルーフィング(シート)を交互に重ねていく工法です。
日本では100年以上の歴史があります。
溶けたアスファルトは接着剤としての役割もあります。
短時間で硬化するので工期も短くて済みます。
新築の防水工事に使用されることが多い施工方法です。
熱工法には「密着工法」と「絶縁工法」という2つの種類があります。
密着工法は、そのまま下地にアスファルトを塗っていく工法です。
耐久性が高く人が歩いたりしても問題ありませんが、施工時の熱で下地が収縮し、ひび割れが発生する可能性があります。
絶縁工法は、下地とアスファルトの間に穴が開いたシート、もしくは通気層を有するルーフィングを用いて防水下地に部分接着させる工法です。
下地やコンクリートが収縮してもひび割れが発生しませんが、密着工法よりも耐久性が落ちるので、重量物を乗せたりするのには向きません。
【メリット】
日本での防水工事では100年以上の歴史があり、たくさんの技術が積み重ねられてきたため、信頼性の高い工法です。
【デメリット】
アスファルトを大きな窯で熱して溶かします。
その熱は220~270度にもなり、独特の臭いや煙の発生、火災のリスクがあるため、周辺環境への配慮が必要です。
そのため最近では熱工法を採用する工事は減ってきています。
また、大きな窯の設置場所を確保する必要もあります。
【特徴】
トーチバーナーと呼ばれる、一般的なバーナーを使って、ルーフィングと呼ばれるシートの片面をバーナーの熱で溶かし、下地に張り付ける工法です。
改修工事に使用されることが多い施工方法です。
アスファルト防水では最も多く採用されています。
熱工法よりも臭いが少ないので、周辺環境への配慮にもなります。
しかし施工の難易度が高いので、職人の腕が良い施工業者に工事を依頼することが大切です。
【メリット】
シートを隙間なく溶着することができ、高い防水効果を発揮します。
また、煙が出ず臭いも少ないため、周辺環境への影響が少ないのも特徴です。
トーチ工法は費用も安いため、民間工事で採用されることが多い工法です。
【デメリット】
火気を使用するため、付近に燃えやすいものがある場合は施工ができない=広い場所でないと施工ができないといったデメリットがあります。
【特徴】
多くの現場で採用されているのが常温粘着工法です。
改修工事に使用されることが多い施工方法です。
常温粘着工法はこの後に紹介する3つの工法と異なり、熱を使わずに防水層を作ることができます。
ルーフィングシートの裏面に、自着層と呼ばれるゴムアスファルトの粘着層をコーティングし、複数枚交互に貼り合わせていく工法です。
熱を使う工法とは異なり、大掛かりな器具を必要とせず臭いも発生しないので、環境に優しい工法と言われています。
しかし複数枚のルーフィングを張り重ねていく必要があるので、重量に耐えられる建物への施工に限られます。
下地が軟粘着状態になるため、施工したコンクリートにしっかりと付着します。
【メリット】
熱や臭いが発生しないため、環境への配慮だけでなく、安全性が優れているのがポイントです!
火を使用しないという点から、近年アスファルト防水の中で最も主流な工法です。
【デメリット】
熱を使用する工法と比べると、防水層の密着度が劣り、防水効果が低くなってしまう場合があります。
【工事日数】
アスファルト防水で防水工事を施工する場合、おおよそ2週間程度で工事が完了します。
※もちろん施工する場所の広さや状況、また工事期間中の天気によって変動します。
【工事の流れ】(トーチ工法を使った改修工事の場合)
①古い防水層の撤去
まずは古い防水層を撤去します。
丁寧に撤去することにより、新しい防水層の性能が高まります。
②下地処理
下地を綺麗に掃除し、凹凸などを埋めて平らにします。
③プライマーの塗布
接着剤の役目を果たすプライマーを、下地に塗ります。
刷毛やローラーを使ってムラなく塗っていきます。
④防水シート張り
ガスバーナーを使って防水シートと下地をあぶっていきます。
あぶり加工では職人の腕がとても大切です。
⑤改修用排水口の取付け
次に雨水を排水するための改修用排水口(ドレン、ルーフドレン)を取付けます。
防水層で受けた雨水は、改修用排水口から排出されます。
⑥トップコートの塗布
防水層を保護するためにトップコートを塗り、完了です。
他の防水工事よりも耐用年数は15~25年を長いのが特徴です。
しかし耐用年数は過ぎてしまうと、ひび割れが起きやすくなってしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。
・アスファルト防水とは、アスファルト製のルーフィングを使った防水工法のこと
・アスファルト防水には大きくわけて「熱工法」「トーチ工法」「常温工法」の3種類がある
・耐用年数は15~25年ほど
・施工には高い技術が必要
・施工箇所などに合わせて、防水工事の種類を使い分ける
アスファルト防水は信頼性の高い工法です。
しかし工法によっては、大掛かりな設備が必要になることは知っておいてください。
ビルの屋上など、頑丈さが必要な面積の広い場所へ防水工事を行なう際は、アスファルト防水も検討してみてください。
いかがでしたでしょうか?
アスファルト防水のことが少しでもみなさんにお伝えできていれば嬉しいです。
上記でお話しした通り、アスファルト防水は施工難度の高い防水方法です。
アスファルト防水に詳しく、経験のある、腕のいい職人さんにお願いしないと、せっかくの建物を守るための施工のはずが、雨漏りやひび割れなど、建物を傷つけてしまう可能性も出てきてしまいます。
ですが、モリエコにはしっかりと経験を積んで、なおかつアスファルト防水の技能士の資格を取得している職人がいます。
「一級防水施工技能士」の「防水施工(アスファルト防水工事作業)」の資格です。
様々な工法のある防水工事には施工方法によって技能士の資格があります。
同じ防水工事といっても施工方法によって工事の仕方は様々。
しっかりと知識、経験を積んだ職人が、防水工事を行うので安心してお任せください。
モリエコは防水工事をはじめ、外壁塗装や屋上清掃、内装工事など建物のメンテナンスや点検を行っています。
どんなお困りごともお気軽にご相談ください。