- サステナビリティ
こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
みなさんは外出先で飲み物を飲む際、容器は何が多いですか?
私は基本、水筒を持って出掛けるのですが無くなってしまったらペットボトル飲料を買っています。
理由は蓋ができることと容量が多いからです。
モリエコの現場スタッフが施工先で飲む用の飲料も事務所にストックしてあるのですが、
アルミ缶のコーヒーが1番多く、ペットボトルの飲料は来客用のお茶しかありません。
(夏場はOS1などのスポーツ飲料のペットボトルがたくさんあります。)
持ち運べる飲料として、スチール缶、アルミ缶、ペットボトルの3種類が多いと思いますが、
どのように違うのかみなさんご存知でしょうか?
そこで今回はアルミ缶とスチール缶、そしてペットボトル、どの容器が環境に良いのか考えたいと思います。
初めにアルミ缶、スチール缶、ペットボトルの特徴を見ていきたいと思います。
缶に入った飲料といえば、スチール缶よりもアルミ缶を想像する方も多いのではないでしょうか?
そんなアルミ缶について少し掘り下げたいと思います。
飲料用アルミ缶は、アメリカでアルミニウムの特徴を活かした2つの技術開発が行われたことが普及のきっかけとなりました。
1つ目は、缶胴を深絞りするDI (ドロー・アンド・アイアニング)法の開発です。
2つ目は、飲料缶の蓋を手で開けられるイージー・オープン・エンドの開発です。
・軽い
同じ大きさのアルミニウムと鉄を比べると、アルミニウムは鉄の約3分の1の重さしかありません。アルミ缶は軽いので、飲料を運ぶ時のエネルギーが少なくてすみます。
・さびにくい
アルミニウムはさびにくい性質を持っている為、アルミ缶はいつまでも衛生面に優れ、中身のジュースやビールの品質を長期間守ります。
・熱をよく伝える
アルミニウムは、熱をよく伝えます。温めたり、冷やしたりすることが短い時間でできます。
・溶解しやすい
鉄が約1530度、銅は約1080度、アルミ約660度と、溶けやすいイメージのある銅のおよそ半分の熱で溶かすことができます。
・通電性
アルミは通電性が高いので、電線やコンデンサーにも使われています。
導電体としてコストが安く抑えられる金属なので、エネルギー関連やエレクトロニクスの分野でとても重宝されています。
次はスチール缶について掘り下げたいと思います。
飲料用スチール缶は、アサヒグループホールディングス(株)が2つの技術開発が行われたことが
普及のきっかけとなりました。
1つ目は、1958年に日本で初めて缶ビールが製造販売されました。
その頃のビールといえばびんビールが主流でした。
びんビールを飲むにはグラスが必要な為、どうしても屋内中心になります。
しかし缶ビールは軽く、割れません。
コップ兼用になり、どこへでも移動が可能。
また、自分のペースで手軽に飲めます。
缶ビールの登場は、当時の消費者のニーズにマッチしており大きな飛躍を遂げました。
2つ目は、1969年に世界で初めて缶コーヒーが製造販売されました。
缶コーヒー開発は、殺菌処理することで風味が変わってしまうという技術的課題がありました。
しかし缶の内面塗料の改良や特殊コーティングを施すことで化学反応を防ぐことで成功しました。
・密封・防湿
空気、水分を通しません。
乾燥を防いで長期間の保管が可能となります。
・耐衝撃
当たったり落ちたりすると、変形することはあっても商品が壊れない様に守ってくれます。
・遮光
光を通しません。光による変色や劣化を防ぎます。
・耐水・耐熱
鉄でできているため熱や水などにも強く頑丈な容器です。
・危険物耐性
シンナー、油、塗料等の燃えやすいものを安全に保管、搬送する事が出来ます。
持ち運べる飲料容器といえばペットボトルではないでしょうか?
そんなペットボトルについて少し掘り下げたいと思います。
1974年にアメリカでペットボトルの使用が始まりました。
世界初のペットボトル飲料は炭酸飲料でした。
1977年、日本でもペットボトルの使用が始まり、
最初はしょうゆの容器として使われ始めたといわれています。
そして、1982年2月には、食品衛生法の改正によって日本でも清涼飲料用の容器としてペットボトルを使えるようになりました。
また、同時期に耐熱ボトルが開発されています。
・軽い
ペットボトルは、同じ容量のガラス瓶と比べて約1/7~1/10の重さと言われています。
・割れにくい
ペットボトルは、ガラス瓶と違って落としても割れにくい特長があります。
・蓋ができる
ペットボトルは何度でも蓋をすることができるので、持ち運びに便利です。
どれもリサイクル性が高いのですが、具代的にリサイクル方法を見ていきたいと思います。
アルミの原料である鉱石のボーキサイトをアルミにする方法に電気分解する必要があります。
そこで使う電気の量は銅の精錬の10倍もかかります。
しかしアルミ缶は「資源の王様」と呼ばれるほど、他のゴミに比べて圧倒的に高いことが分かっています。
理由としては、ペットボトルなどと違いアルミ缶はその特性を失いにくいため、一度ごみとなっても再び同じ缶として生まれ変われることが挙げられます。
使用済みのアルミ缶を新しいアルミ缶に再生するリサイクルはCAN to CANと呼ばれています。
熱に溶けやすく酸化しにくいことから再利用しやすく、しかもリサイクル品でも新品の素材とほぼ変わらない品質で製造できます。
アルミニウム協会によると、これまで製造されたアルミニウムのうち、約75%が今日までリサイクルされ続けているそうです。
スチール(鉄)缶は、容器包装リサイクル法から除外されています。これは90%以上もリサイクルされていて、さらに全てのリサイクルルートでの費用の負担がないからです。
一般缶を含むスチール缶については、もともと「価値あるもの」として取り扱いされている為、再商品化のための費用は不要です。
スチール缶のほとんどは資源化施設でプレスされ、再びスチール缶になるか、自動車や電化製品として生まれ変わります。
ペットボトルのリサイクル方法は主に2種類あります。
・ボトルtoボトル
回収したペットボトルを原料の状態に戻し、再びペットボトルを作る方法です。従来のペットボトルとほとんど品質の変わらないペットボトルが再生できるとされています。
・マテリアルリサイクル
ペットボトルを細かく砕いたフレークを原料として、たまごパックなどのシート、スーツやバックなどのポリエステル繊維、洗剤容器やバスケットなどを作ります。
最資源化重量(千トン)÷消費重量(千トン)=リサイクル率(%)
で2020年のリサイクル率を計算してみました。
・スチール缶 369÷393=93.8%
・アルミ缶 311÷331=93.9%
・ペットボトル 488÷551=88.5%
各容器ともリサイクル率は世界的にみても高水準となっていました。
ここで水平リサイクル率について考えたいと思います。
リサイクルにもいろいろな種類があるのですが、水平リサイクルとは回収し再利用する際に同じ製品に戻すことをいいます。
つまり、上記にあげた「CAN to CAN」や「ボトルtoボトル」などが水平リサイクルにあたります。
ペットボトルの出荷量が年間63万トンほど。
そのうち7万トン強がペットボトルへと水平リサイクルされています。
単純計算すればペットボトルの水平リサイクル率は12%程度だと計算されます。
それに対してアルミ缶は、缶から缶への水平リサイクル率は67%と非常に高いレベルです。
アルミ缶の水平リサイクル率の67%。
この67%の水平リサイクルを無限に繰り返していくと、最初に1個作ったアルミ缶は最終的に3個生まれることになります。
つまりアルミを精錬するのに電気代が銅の10倍かかるといっても、リサイクルを徹底すれば最終的には電気代は3分の1で済むようになることがわかります。
各容器ともリサイクル率が高く、たくさんの再利用方法がありました。
調べていく中で水平リサイクルの大切さや素材にあったリサイクル方法で再利用していくことが1番サスティナブルな世界に繋がるのではないかと思いました。
アルミ缶の水平リサイクルのことを考えながらも、どの容器も再資源として利用できるようリサイクルに励みたいと思います。