- サステナビリティ
こんにちは!
モリエコ事務スタッフ、ことりです。
2021年も残りわずかとなりましたが、みなさんはどんな1年だったでしょうか?
私は新しくSDGsについて知り、学び、モリエコが取り組めることはなんだろう?
私にできることはなんだろう?と考える機会を多く持つことのできた学びの多い1年でした。
そんなSDGsですが、実は毎年6月、国ごとにSDGsの達成度を点数化してランキングを報告書として
SDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)というところが発表されているのを
ご存知でしょうか?
SDGsが採択されてから6年。現在、SDGsは各国どのくらい達成されているのでしょうか。
今回は報告書に基づいた各国のSDGs達成度や日本の達成、進捗状況を
2020年の結果と比較しながらご紹介します。
※今回、記事作成にあたって「Sustainable Development Report 2021」の
サイトを参照しグラフの画像もお借りしています。
→ https://dashboards.sdgindex.org/
Contents
各国の順位と達成度スコアについて
・上位5ヶ国のSDGsランキング
・下位5ヶ国のSDGsランキング
・国連常任理事国のSDGsランキング
を紹介します。
2021年 国名・達成度スコア | 2020年 順位・達成度スコア | |||
1位 | フィンランド | 85.90 | 3位 | 83.77 |
2位 | スウェーデン | 85.61 | 1位 | 84.72 |
3位 | デンマーク | 84.86 | 2位 | 84.56 |
4位 | ドイツ | 82.4 | 5位 | 80.77 |
5位 | ベルギー | 82.19 | 11位 | 79.96 |
フィンランド・スウェーデン・デンマークの北欧3ヶ国は、ランキングが報告されている
2016年から上位3位をキープし続けています。
また上位20位までヨーロッパの国々が多く並んでいました。
2021年 国名・達成度スコア | 2020年 順位・達成度スコア | |||
161位 | リベリア | 48.65 | 162位 | 47.12 |
162位 | ソマリア | 45.61 | 163位 | 46.21 |
163位 | チャド | 40.90 | 164位 | 43.75 |
164位 | 南スーダン | 38.90 | 165位 | 43.66 |
165位 | 中央アフリカ共和国 | 38.27 | 166位 | 38.54 |
2020年は166位までランキング付けされていたため、下位5ヶ国は変化していないことになります。
そしてリベリアをのぞいた4ヶ国は、2020年より達成度スコアが下がっていました。
2021年 国名・達成度スコア | 2020年 順位・達成度スコア | |||
8位 | フランス | 81.67 | 4位 | 81.13 |
17位 | イギリス | 79.97 | 13位 | 79.79 |
32位 | アメリカ | 76.01 | 31位 | 76.43 |
46位 | ロシア | 73.75 | 57位 | 71.92 |
57位 | 中国 | 72.06 | 48位 | 73.89 |
フランスとイギリスは順位を下げ、アメリカと中国は2020年よりも達成度スコアが下がっていることが分かります。
常任理事国は「拒否権」を持っています。
つまりこの5ヶ国は、国連安全保障理事会(安保理)の審議において
1ヶ国でも反対があった場合は決定が成立しないという重要な意思決定権を持っている国です。
そのことを踏まえると、世界的にリードすべき国々がSDGs達成に貢献できていないことは、
残念な結果だと思いました。
2015年と比較して、SDGsの各ゴールが世界全体でどのくらい進捗したかを示したグラフです。
最も進捗が見られる目標は、
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
であることが分かります。
そして次に、
目標1「貧困をなくそう」
目標5「ジェンダー平等を実現しよう」
が続きました。
しかし、その一方で
目標12「つくる責任つかう責任」と
目標15「陸の豊かさも守ろう」は
2015年よりも悪化していると報告されています。
また、環境にまつわる目標
目標6「安全な水とトイレを世界中に」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」は、
全体的に変化の割合が小さい、もしくは悪化していることがわかります。
この4つの目標は、SDGsウェディングケーキモデルにおいて「生物圏」に位置していて、
SDGsを達成していくうえでとても重要な目標です。
日本は2021年は18位でした。
また2016年から2021年まで、日本の順位と達成度スコアは以下のように推移してきました。
2016年:18位(75.0)
2017年:11位(80.2)
2018年:15位(78.5)
2019年:15位(78.9)
2020年:18位(79.1)
2021年:18位(79.8)
日本は2017年をピークに、近年順位が下がっていて、スコアも過去最高を更新できていません。
下の図は、日本の各目標の達成状況と、取り組みの傾向がまとめられたものです。
各目標の達成状況を示したアイコンの色は
緑:達成できている
黄:課題が残っている
オレンジ:重要課題
赤:最重要課題
を意味しています。
また取り組みの傾向を示した矢印の色は
緑:順調・達成を維持
黄:適度に向上している
オレンジ:停滞している
赤:悪化している
グレー:不明
を意味しています。
日本は最重要課題が
目標5 「ジェンダー平等を実現しよう」
目標13 「気候変動に具体的な対策を」
目標14 「海の豊かさを守ろう」
目標15 「陸の豊かさも守ろう」
目標17 「パートナーシップで目標を達成しよう」
の5つも残っているのと、目標15 「陸の豊かさを守ろう」は
赤色の矢印が下向いている現状もあり、国全体で協力して達成に向かう必要があるなと感じました。
世界的に見てみると2021年は多くの国が達成度スコアが低下しています。
このSDGsの達成度スコアはSDGsが国連サミットで採択された2015年からカウントされていますが、
コロナ禍により、初めて世界平均スコアが低下してしまいました。
原因は、世界的に貧困率と失業率が増加したからだといわれています。
SDGsの「ウェディングケーキモデル」を見ると、SDGsの17の目標は経済・社会・環境と
3つのグループから成り立っています。
しかし世界的な新型コロナウィルスの大流行は、そのすべてに影響を与えてしまったことがわかります。
今回の報告書では「今回のパンデミックにより、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ
(国民皆保険)と主要インフラ(特にデジタルインフラ)へのユニバーサル・アクセスに
向けた進展を加速させる必要性が明らかになった」としています。
理由は国民皆保険制度とデジタルインフラが整っている国は
コロナ禍からの回復が速いと判断されたからです。
報告書には、「新型コロナウイルスが猛威をふるっている間は持続可能な開発や経済の回復は望めない」
としていて、
「すべての政府の最優先事項は、ワクチンの世界的アクセスなどを通して
[パンデミックを抑制すること]」
としています。
2021年のSDGs達成・進捗状況をみると、順調に達成へと向かえている国や目標は、あまり多いとは言えません。
しかしSDGsは2030年までの目標です。
残された9年で、少しでも達成に向かっていけるよう1人1人が意識できることを考えていければと思います。
モリエコでも2022年はさらにSDGsに貢献できる取り組みを行っていきたいと思います。
※今回、記事作成にあたって「Sustainable Development Report 2021」の
サイトを参照し画像もお借りしています。